トリミングは自分でできる?
トリミンググッズがあれば、自分でできます
最近では家庭でトリミングする人が増えています。初心者でも使いやすいトリミンググッズが色々ありますよ。
経験ゼロでも大丈夫?
大丈夫です。自分でやればトリミングのお金(一頭につき毎月一万円くらい)を浮かせられますよ。

キレイにトリミングできるか心配
犬用のバリカンを使えば、だれでも同じ長さでキレイにカットができます。
犬があばれないか心配
最初は怖がってあばれるかも知れません。でも少しづつ慣れるものですよ。どうしてもあばれる子は、長めの散歩をしてからトリミングしましょう。疲れていると、あばれる元気がありません。
トリミングに必要なグッズは?
必要なものをリストアップしました。
- バリカン(ペット全身用)
- 小さなバリカン(ペット部分用)
- シャンプー(ペット用)
- ドライヤー(ペット用)
- スリッカーブラシ
- 爪切り(ペット用)
- 止血剤
- イヤークリーナー(ペット用)
- タオル
- 使い捨てビニール手袋
あると便利なグッズ
- トリミング台
- ファーミネーター
- ペット用のバスタブ
- エリザベスカラー
- ペット用の保湿剤
道具の選び方は?
初心者なら、少し高くても使いやすい道具を選びましょう。安いからと言って使いずらい道具を買ってしまうと、トリミングの仕上がりが悪くなりますし、道具を使っているときもストレスが溜まりますよ。
ワンちゃんの犬種や性格、健康状態、ライフスタイル、予算も考慮しつつ選びましょう。
ネット販売もおすすめ
色々見てから買いたい、という人はネットショッピングがおすすめ。実店舗だと「置いてある商品の種類が少なくてガッカリ」なんてこともありますが、ネット通販なら圧倒的な品揃えの中からじっくり選べるので、自分好みの商品に出会える可能性が高いですよ。Amazonならペット用品の品揃えが豊富ですし、購入した人の生の声がきける(レビュー件数が多い)のでとても参考になります。
いちばん安い道具でも良い?
答えはNOです。トリミングの道具は使いやすさ・品質・安全性で選びましょう。とくにバリカンのように長時間使う道具はケチらず良いものを購入しましょう。安価な道具は使いにくかったり、すぐに壊れたり、安全性に問題があることも。高価な道具でも長く使えば結果的に安く済むと考えましょう。

安全性に問題があるものは選ばないこと
たとえば先のとがったハサミを使うのはやめましょう。ワンちゃんの顔まわりやノドなど急所に刺さると命に関わります。気をつけていれば大丈夫、と思ってもワンちゃんは予想外の動きをしますから危険ですよ。
たとえば安すぎるバリカンの中には、電源を入れてから数分で本体の温度が高温になってしまうものがあります。バリカンが高温になると刃も熱くなるのでわんちゃんが火傷します。バリカンは温度が上がりにくいものを選びましょう。
トリミングのコツ
何日かに分けてやる
今日はカットで明日はシャンプーのように、何日かに分けてトリミングをしましょう。1日ですべてやるのは大変です。
決して無理をしないこと
トリミング中、少しでも危険を感じたり、難しい・出来ないと思ったらすぐにトリミングを中止しましょう。無理をすると思わぬ事故につながります。自分にはできない、むずかしいと感じる部位はペットサロンでやってもらいましょう。

サロンでも部分お手入れなら500円くらいですむ
お店にもよりますが、「爪切りのみ」や「足裏の毛カットのみ」や「肛門腺しぼりのみ」なら数百円でプロにやってもらえます。出来るところは自分でやって、苦手なところはプロにお願いしましょう!
ラクな姿勢でトリミングすること
トリミングはラクな姿勢で行いましょう。もし背中が曲がった状態でトリミングしたり、お風呂場でしゃがんでシャンプーしたりすると、身体が痛くなる原因となります。もともと腰痛や膝の痛みがあるならとくに気をつけましょう。自分の身長にあったトリミング台を用意すれば、ムリのない姿勢で作業できますよ。
犬の安全のためにもトリミング台が必要
トリミングしている最中、犬がテーブルの上から飛び降りると、骨折などの大怪我をする恐れがあります。トリミング台に付いているリードフックに犬を繋いでおけば、安全にトリミングが行えますよ。
トリミング台は、散歩から帰ったときの足ふき、ブラッシング、歯磨き、ワンちゃんの洋服の脱着など、毎日のお手入れにも使えます。

楽しい雰囲気で行うことが大切
ワンちゃんと楽しくおしゃべりしながらトリミングしましょう。雰囲気づくりはとても重要ですよ。トリマーが無言や無表情だとワンちゃんが怖がってしまい、恐怖心からあばれる原因となります。とくにお風呂場が苦手なワンちゃんは多いので、笑顔で話しかけて怖くないよ、と安心させてあげましょう。
トリミングの順番
順番は
- 足裏の毛カット
- 爪切り・耳掃除
- 全身の毛カット
- 肛門腺絞り
- シャンプー
- ドライ
トリミングのやり方
1.足裏の毛カットのやり方

必要な道具
- 犬用バリカン(足裏の毛用)
足裏の毛をカットするときは、小型のバリカンを使いましょう。小型犬の小さい肉球には必須アイテムです。小型のバリカンは音も小さいので、気軽に使えて便利ですよ。
肉球が大きな犬なら、全身用のバリカンでも足裏カットできます。
① バリカンにガイドがセットされている場合は、ガイドをはずしてから足裏をカットします。刃を押し付けないように気をつけながら、カットしましょう。指のあいだの水かきはバリカンで切りやすいので注意しましょう。
2.爪切りのやり方

必要な道具
- 犬用の爪切り
- 止血剤
① 爪切りに犬の爪をセットして、爪を切りましょう。爪の内部には血管が通っているので、切りすぎると出血します。どこまで切って良いかわからないときは、1〜2ミリずつ様子を見ながら切りましょう。
② 爪の断面が湿ってきたら血管が近い証拠なので、切るのをストップしましょう。
③ 出血したところに、止血剤を塗り止血します。
犬が爪切りに顔を近づけて危険な場合は、エリザベスカラーを巻いて爪を切りましょう。
3.全身の毛カットのやり方

必要な道具
- 犬用バリカン(全身用)
夏の暑さ対策などで、全身の毛を短くカットするなら、犬用のバリカンで一気にカットしてしまいましょう。パワーのあるバリカンを選べば、大型犬や毛量の多い犬でも全身をスピーディーにカットできます。
怖がりな犬なら、パワーはあまりなくても音が小さめなバリカンを選んであげましょう。
バリカンは毎回のトリミングで長時間使うので、すこし高価でも使いやすいものを選びましょう。安価なものは使いにくかったり、壊れやすかったり、安全性に問題があることがあります。

バリカンでカットする前に、ブラッシングしましょう。毛のもつれや毛玉を取っておかないと、バリカンが毛のもつれに引っかかります。
毛のもつれをとるにはスリッカーブラシを使います。スリッカーブラシは針金状のブラシが特徴で、とくに毛が絡まりやすい長毛種の犬には欠かせないアイテムです。持ち方は親指と人差し指でつまむようにし、あとの指はそえるだけ。決して力を入れず、またブラシの先端で皮膚をこすらないように注意しましょう。
毛量が多いなら、バリカンの前にファーミネーターで毛量を減らしておきましょう。毛量が多いままだと、バリカンが引っかかります。
全身の毛カットのやり方
① 全身のカットを始める前に、バリカンにガイドを付けましょう。ガイドをつけ忘れたままカットすると、犬にハゲができます。ガイドを使うことで、全身の毛を一定の長さでムラなくカットできます。
② 肛門まわりなど、細かい部分はガイドをはずしてカットしましょう。ただし、ガイドをはずすと刃が剥き出しの状態となりますので、皮膚が切れやすくなります。バリカンを犬に押しつけないよう注意してカットしましょう。
③ バリカンの刃の切れ味が悪くなってきたら、詰まった毛を取りのぞき、刃に油を差しましょう。
④ 使い終わったバリカンは放置せず、刃や本体についた水分・汚れをしっかり拭き取りましょう。バリカンに水分・汚れが残っていると、錆びて使えなくなります。キレイに掃除したあとは、油を差して湿気のない場所で保管しましょう。
4.肛門腺しぼりのやり方

そもそも肛門腺とは何か
肛門腺とは、肛門の左右にある袋に貯まる分泌物のことです。肛門腺はたまりやすい子とほとんどたまらない子がいます。個人差がとても大きいです。
しぼるペースは月に一回が目安ですが、溜まりやすい場合は半月に一回しぼりましょう。
犬の肛門腺はニオイが強烈です。もし家具などに付いてしまうとニオイが取れず大変なので、お風呂場でしぼるのがおすすめです。素手で絞るとニオイがつきますから、使い捨てビニール手袋も用意しましょう。
必要な道具
- 使い捨てビニール手袋
絞り方
① 時計の文字盤の中心が犬の肛門だとします。時計の4時と8時の位置を、利き手の親指と人差し指でつまみます。犬の尻尾は、空いている手で持ち上げておきます。
② 肛門腺を指でつまんだら、下からグッと押し上げるイメージで絞りましょう。
飛び散りますので、お風呂場でしぼりましょう。シャンプー前にしぼれば、シャワーで洗い流せます。
5.シャンプーのやり方

必要な道具
- 犬用シャンプー
シャワーの温度はぬるめに設定(37度前後)しましょう。犬は熱いお湯が苦手です。
① 毛を根元までしっかり濡らしましょう。毛をかき分けて根元まで濡らさないと、シャンプーが泡立ちませんし、汚れが落ちません。
② シャンプーを手のひらで泡立て、身体に塗っていきます。指の腹を使い、マッサージするイメージで汚れを浮かせましょう。シャンプーが目や耳に入らないように注意しながら洗います。ひさしぶりのシャンプーなら2回シャンプーしましょう。
③ シャンプー中、トリマーが無表情や無言だとワンちゃんは不安になり、恐怖心からあばれる原因となります。シャンプー中は笑顔で話しかけてワンちゃんを安心させましょう。
④ シャンプーを洗い流します。手で毛をかき分けて、毛の根元にもシャワーをあてましょう。ぬめりが残っていないか手でさわって確認し、ぬめりがなくなるまで流しましょう。
6.ドライのやり方

必要な道具
- 大きめのタオル
- 犬用ドライヤー(ブロアー)
① ドライヤーをする前に、タオルドライを念入りに行いましょう。毛の根元の水分までしっかり拭き取ることで、ドライヤー時間をかなり短縮できます。もしタオルドライに時間がかかったとしても、このほうが結果的に速く乾きますよ。
逆にタオルドライが足りていないと、ドライヤーを長時間することになりますし、根元のほうが最後まで乾きません。
② タオルドライが終わったらドライヤーで乾かします。ドライヤーは犬から30cmくらい離しましょう。ドライヤーが近すぎたり、同じところに温風をあて続けると犬がヤケドしますから、犬が熱くないように注意しながら乾かします。
③ ブラッシングしながらドライヤーすると早く乾きますよ。毛のかたまりをブラシでほぐすことで、ドライヤーの風が毛の根本まで送られるからです。ブラッシングしつつ乾かすならハンズフリータイプのドライヤーが便利です。

ドライヤーのとき、部屋に毛が舞うのが気になる、またはドライヤーが面倒だと感じていませんか?
ドライルームは、ボックスの中で犬を乾燥するので、犬の毛が舞うことを防いでくれます。また、犬を自動で乾燥してくれるので、トリマーの負担が大幅に減ります。温風は壁だけでなく床からも出るのでムラなく乾きますよ。