
本当に飼えるのか、よく考えよう

「可愛いから」という理由で犬を飼うと後悔する
犬を飼いたい、と思う理由は人それぞれです。ほとんどの人は「可愛い」「癒されたい」「もふりたい」などの理由から、犬を飼うのでしょう。確かに、犬はそばにいるだけで私たち人間に「癒し」を与えてくれますし、犬が家にいるだけで、毎日たくさんの楽しい思い出を家族に提供してくれることでしょう。
しかし、実際に犬と共に生活をしてみると、楽しいこと、幸せなことばかりでは無い、と言うことが分かります。それどころか、犬を飼ったことで生活が苦しくなり育犬ノイローゼ(パピーブルー)になる人も多いようです。犬と幸せになるために犬を飼い始めたのに、犬が原因で不幸になってしまうのは悲しいことです。
そうならないためにも、犬を飼うとはどう言うことなのか、しっかりと勉強してから、犬を飼うか決めましょう。
毎日、犬の散歩に行く時間・体力はあるか?

犬の散歩はキャンセル不可
犬を飼うと、犬の散歩は毎日の生活のルーティーンの中に必ず組み込む必要があります。犬にとって、散歩は運動不足を解消したり、ストレスを発散させて健康を維持するために必要なものです。
犬の散歩をするには体力が必要
仕事に行く前、仕事から帰ってきたあとも、毎日欠かさず散歩に行くことになります。仕事をした上で犬の散歩をする体力が自分にあるのか考えましょう。

雨の日も散歩は必要
大型犬の場合は雨の日でも関係なく散歩が必要ですし、小型犬でも散歩に行かないとストレスが溜まりますから、雨でもレインコートを着せて散歩に連れて行きましょう。

「散歩不足」は問題行動の原因となる
散歩に行かなかったり散歩が足りていないと、犬は運動不足になりますし気分転換ができないのでストレスが溜まります。どうしても散歩にいけない日は、家の中で遊んであげたり、おやつを噛ませたりするなど、ストレスを発散させるための工夫が必要です。ストレスが溜まったままだと、犬は家具を噛んでボロボロにする、一晩中吠える、わざと粗相をする、などの問題行動を起こすようになります。

小型犬でも、散歩が2時間〜必要な場合も
身体が大きい犬ほど、必要な運動量(散歩の距離・時間)が増える傾向がありますが、小型犬でも犬種・体格によっては(ジャックラッセルテリアなど)大型犬と同じ運動量(毎日2時間〜の散歩)を必要とします。

散歩だけで足りないならドッグランも
とくに大型犬など、たくさんの運動量が必要な犬の場合、毎日の散歩に加えて休日はドッグランに連れて行くなど、こまめに運動不足を解消してあげる必要があります。
飼い主の体調が悪くても散歩は必要
飼い主の体調が悪くても、犬は元気ですから散歩を要求してきます。このように、飼い主が病気や怪我で散歩に行けないときは、家族や友人に散歩を頼めるのかどうか、犬を飼う前に考えておきましょう。
「しつけ」を根気よく続けるための心の余裕はあるか。

犬の「しつけ」は長期戦になる
子犬のときはトイレをなかなか覚えないので部屋中がおしっこだらけになって、ソファやラグにニオイが染み付いてしまうことも。また、犬が粗相をするたびに掃除をしなければならないので、飼い主は肉体的にも精神的にもダメージを受けます。このような試練に耐え続ける心の余裕が自分にあるのか、よく考えてから犬を飼うか決めましょう。
犬の粗相を叱ってはいけない
犬のトイレの失敗を目撃しても、決して犬を叱ってはいけません。これは犬を甘やかすためではありませんよ。犬は、排泄をしているときに叱られると、「排泄をすること自体が悪いことなのだ」と勘違いをします。一度勘違いをしてしまうと、犬は物陰で隠れて排泄したり、うんちを隠すために食糞するようになります。

犬にトイレを覚えてもらうには、「トイレが成功したときだけリアクションする(少しオーバーなくらいに褒める)」のが正解です。成功したときだけリアクション(褒める)すれば、犬はここで排泄すると良いことが起きると考え、トイレで排泄するようになります。
犬は「過ぎた事」を叱られても理解できない
ほかにも、犬は家具など高価なものでも平気で噛んでボロボロにします。このように、犬がいたずらしたら叱って反省させ、2度と同じ事を繰り返させたくないですよね。しかし犬は、過ぎた事を叱られても、何に対して叱られているのかが理解できません。なので、家具を噛むのをやめさせたいなら、噛んでいる最中に叱ってやめさせると効果的です。
お金はあるか?
犬は予想以上にお金がかかる
犬を飼うと、とにかくお金がかかります(小型犬1匹でも、毎月2万円程度はかかります)。犬のドッグフード代、犬の毎月の保険料、ワクチン注射代、犬が病気になった時の高額な医療費などは、全て飼い主が負担することになります。

夏場の電気代が高い
また犬を飼っていると、夏場は自宅の部屋のエアコンを24時間つけっぱなしにしておく必要があります。エアコンがないと、犬が熱中症になりますから、夏場の電気代は犬のために絶対に削れない出費の一つです。
家族に犬アレルギーがないか?(自分も検査しよう)

犬を飼ったあとに、飼い主やその家族が犬アレルギーだと発覚することはよくあります。
自分や家族の犬アレルギーが重症化した場合、最悪犬を飼えなくなる事になりますから、飼う前に犬アレルギーでないか、よく調べておく必要があります。調べる方法はいくつかあります。
犬カフェに行ってみる
犬がたくさんいる空間に行き、しばらく過ごしてみましょう。犬のいる空間(できれば密室)では、空気中に犬の毛が浮遊しているので、人間はそれを吸い込む事になります。
もし犬アレルギーなら、くしゃみやせきなど何かしらのアレルギー反応が出ますので、犬アレルギーかどうか調べられます。
犬を飼っている友人に頼んで触らせてもらう
犬の身体に触ったり、犬の唾液が肌に触れても痒くなったり肌荒れしないか確かめましょう。
犬が大きくなっても愛せるか?

ペットショップで売られている犬は、まだ成長する前の子犬なので小さくてとっても可愛いですよね。でも、犬が小さくて可愛いのは子犬時代の一瞬だけですよ。
成長して大きくなっても愛せるか、想像しよう
子犬は、どんどん成長して大きくなります。成犬になると、子犬のときとは身体の大きさだけでなく顔つきや性格も変わってきますよ。
シニア犬になってもお世話する余裕があるか?

犬も高齢になると介護が必要
犬も、人間と同じように歳をとります。犬もお年寄りになれば病気にかかりやすくなるので通院が必要になったり、身体が不自由になれば介護の必要も出てきます。高齢になるほど毎月の保険料も高額になり、金銭面でも負担が増えます。
犬を飼うメリット
犬がいると精神的に癒される
犬と触れ合うと人は心が安らいだり、幸せな気持ちになるなど、犬には精神的な癒し効果があります。人は犬と見つめ合うだけで、「オキシトシン」と言う幸せホルモンが分泌されるそうです。犬を飼えば自宅にいる犬といつでも見つめ合うことができますから、家族が皆幸せになってしまうかもしれませんね。
飼い主の運動不足解消になる
犬を飼えば毎日散歩に行くしか選択肢が無くなります。毎日犬の散歩をするうちに、自然とダイエットが成功するかもしれませんよ。
同居する高齢者のボケ防止になる
家に犬がいると、家族は犬の世話をするしかありません。家に犬がいるだけで、おじいちゃんおばあちゃんの認知症予防効果が期待できますよ。
犬を飼うのに向いているのはどんな人?
犬を飼うのに向いているのは、これらの条件を全て満たしている人です。
- 体力に余裕のある人
- 精神的に余裕のある人
- 金銭的に余裕のある人
- 時間に余裕のある人
- 犬といつでも一緒にいたい人
- 「犬の幸せが自分の幸せ」と考えられる人